平成17年6月1日 Vol 125
よかさ!
妻不在ストレス症候群
 テレビを見ていたら、定年後の深刻なモンダイを特集していた。
 定年になった旦那がこれといった趣味もなく、一日中、家にゴロゴロしているのでうっとおしく、またいちいち昼飯もつくらなければならず、ストレスが溜まった妻がビョーキになってしまう。そういうケースが急増して困ったモンダイが日本中で起きているのだという。これを、「主人在宅ストレス症候群」というのだそうな。思わず、へーっとうなってしまった。
 確かにそれに似た話は前から聞いているし、実際に深刻な相談もたくさん受けている。「だから、どこか田舎に行ってゆったり暮らしたい。ついては、教えを請いたい」というメールが毎日のようにパソコンに入って来る。忙しい合間を縫ってできるだけ返事は書くように努めてはいるけれど、はっきり言ってこれといった良策などない。ひとそれぞれによって好みも考え方も生き方も異なるのだから、安易に応えられるわけがない。
 そこへ行くと、わが家はそんな心配はどこにもない。ないどころか逆に、父ちゃんの悩みを聞いて頂きたい。元気な君子さんは、やれヘルパーだ、ミニデイ・サービスだ、食料改善グループの集まりだ、味彩市の役員会だ、習字だ、ハイキングだと、家にいたことがない。だから、いつもおいてきぼりで、昼飯は、「冷蔵庫に入ってますから」と書き置きがあって、インスタント・ラーメンか、即席うどん。夕方は早く帰ってきても、こんどは日が暮れるまで畑から帰らないので、ビール(第三の)のつまみも出てこない。こっちは早めにひとっ風呂浴びて、きょうも、キュウリかトマトでもかじるしかない。「妻不在ストレス症候群」になって泣いている。 
  

朝食超遅ストレス症候群
 屋根早起き元気な子を旨としている父ちゃんは、夜は9時に寝る。
 そして朝は5時には起きる。漁へ出るときは隣で寝ているひとを叩き起こすが、そうでないときはゴミ出しをしたりして、バイク(自転車)のトレーニングに出る。最近はカメラにも凝っているので、朝日の写真を撮ったりもしている。
 バイクは、だいたい1時間ほど山坂を目一杯走る。千葉にいたときも毎朝走っていたけれど、埋め立て地だったのでコースは完全フラット。それに比べればいまはキツさ倍増だ。で、結構汗をかいて帰ってきて、シャワーを浴びて新聞をじっくり時間をかけて隅から隅まで読み終わって、ああ、腹減ったと思っても、まだ敵は起きてこない。「あのネ、もう8時なんですけど」と、声をかけて本を読んでいると、超遅の朝食がやっと並ぶ。起きてから3時間。腹はストレス症候群。 

網・カゴ不漁症候群
 どうしたわけか、近頃、漁のほうがさっぱりだ。
 網をやってもほんとに食べる分だけしか捕れないし、カゴにもなにも入らない。三重網、コノシロ網、キス網と三つも入れるのに、それぞれ4〜5匹くらいずつしかかからない。メバルカゴも二つ入れているけど、こちらも似たようなもの。どうしちゃったのだろうと思うけど、原因は分からない。だから、この頃は海へ出る気も失せてニート状態。バイクにばかり乗っている。 
 朝から疲れるでしょうと、きのうも近所のひとから言われたけど、確かに疲れはする。でも、これもやりだすと一種のビョーキみたいなもので、やらないではいられなくなるのだ。
 
巨岩掘り出し症候群
 大きなビニールハウスを建てようと思って、この前から畑を整地している。
 不思議なことに、いままでなんども耕耘機を回している畑から、巨岩がいくつも出てくる。それを掘り起こして取り除くのだが、これがなかなかの力仕事。これをもう何日も続けている。そんな折り、たまたま二男夫婦が遊びに来たので手伝ってもらった。おもしろいもので、大きな岩と格闘していると、いつの間にか夢中になってというか、相手がしぶといものだからだんだんムキになってきて、「コノヤロー!」という気になってくる。二男もそれにハマって汗みどろ。新婚の嫁さんもここはと大きな岩をかついで頼もしいところを見せて帰って行ったが、さて、旦那の実家にまた遊びに来てくれるだろうか。