平成20年7月4日 Vol 171
よかさ!
イノシシ怖い。
 先日、デジカメ日記に、鶏の玉子を飲み込んだヘビをやっつけたと書いたら、「青大将は家を守ってくれるのだから殺生したりしてはダメよ」と悪友のMからメールで叱られてしまった。そう言えば子どもの頃、そんな話を聞いたことがあるなと思い出して反省したのだったが、そのバチが当たったのか、翌日、イノシシに畑で大暴れされてしまった。
 尾戸半島には昔からイノシシはいないと言われていて、事実、一昨年までイノシシ被害の話は皆無だったのだが、昨年辺りからポツポツと、「見た」という声が伝わってきて、それがことしになってから近所でも「やられた」という話が続出。ついに一昨日、うちの畑にまでお目見えしたというわけ。植えたばかりのサトウキビの苗を20本ほど根こそぎ引き抜かれ、植え直したらまたきのう、掘り返された。いずれも夜中の作業。しかし気の毒なのはうちの隣で芋の苗をさしたばかりのSさん。200本の苗を全部ひっくり返されてしょんぼり。
 これは何とかしなければと、あわててイノシシをやっつける法を研究し出したのだが、でも考えたらイノシシを退治するのはなかなか容易じゃないような気がする。だって、わが家の同居人をみれば一筋縄ではいかないことが分かる。彼女、亥年なんだよね。
 
ケイタイ嫌い。
 イノシシも怖いが、父ちゃん、イノシシやヘビよりもっと怖いのが電話。リーンと鳴るとびくっとする。昔からそう。だから、電話が大嫌い。顔を見ないで話すのも嫌いな理由。
 嫌いだから、普段は電話が鳴っても出ないことに決めている。でも、最近はひとりでいることが多いので、そういう場合は仕方なく受話器を取ることがある。「ハイ、金子です」と名乗りはするが、嫌々出ているので当然、機嫌はよくない。この機嫌の悪さは確実に相手に伝わるらしく、相手は一瞬たじろぐ。誰から掛かってきてもそういう事態になる。返事も、「ハイ」「ハイ」「ハイ」と応えるだけだから、相手はイヤーな気分になるらしい。大抵は君子さんに掛かってくるものばかりだから、あとで必ず、「旦那さん、電話が嫌いなんですか」と聞かれるらしい。「なんだか怒られてるみたいなんです」。何度かそういう電話をした人は、「ああ、旦那さんが出なければいいんだけど…」と願いながら掛けてくるのだと聞いたこともある。でも、そういう人に限って「ハイ、金子です」とまた、低いくぐもった声の主が出てしまうのである。困ったもんだが直す気はないので、これは諦めてもらうしかないのである。
 そんな調子だから、いまだにケイタイは持たない。「いま、なにしてる?」とか、「いま、駅に着いたところ。これから乗る」とか、そんなこと聞いてもらいたくもないし、教えてほしいとも思わない。だから、ケイタイは必要ないのである。

車検切れてた忘れてた。
 ケイタイは必要ないで済むけれど、車検は必要ないでは済まされない。それは分かってはいるのだけど、うっかり忘れていた。いや、うっかりというより、すっかりと言うべきか。「あれ、この軽トラ、車検が切れてるんじゃない?」と君子さんに言われて、見ると去年の11月となっている。なんと半年以上も過ぎている。ありゃりゃ、である。
 半年もの間、平気な顔をして乗っていたのだけど、切れてると分かるとなんか乗りにくい。でも、車検は切れてても別に罰金はないのだから、気にすることないか。

鉄と銀
 天災と車検は忘れた頃にやってくるが、孫も忘れた頃にやってくる。
 4人目の孫誕生の報せが届いた。二男の二男である。名前は「金子 銀」。銀ちゃんである。
 銀ちゃんと言えば、父ちゃんは元ゴルファーだから、中部銀次郎の名前を思い浮かべる。中部銀次郎も親しい仲間からは銀ちゃんと呼ばれていた。
 ちなみに、二男のところの長男の名前は「金子 鉄」である。
 鉄と銀。金メダルと欲張らず、ひとつ控えたところがカネコケらしいが、人によっては、「ジャコマンと鉄」や、「仕立て屋銀次」を思い浮かべるかも知れない。おいおいそれはやめてよ、それじゃ任侠やスリの親分になっちゃうじゃないの。
 銀ちゃんのパパが言うにはこうだ。
 「鉄は別名、黒金(クロガネ)、銀は白銀(シロガネ)、だから語呂がよくていいのです。二人合わせて『銀河鉄道』でロマンチックだねー」。

6月はこんな本を読んだ。
 『ヘミングウエイの酒』(オキシロー)。☆☆☆
『路地の記憶』(佐藤秀明)。☆☆☆
『聖の青春』(大崎善生)。☆☆☆
『ファイナルラウンド』(ジェームズ・ダッドソン)。☆☆☆☆☆
『ナイフ投げ師』(スティーヴン・ミルハウザー)。☆
『震度0』(横山秀夫)。☆
『密会』(ウイリアム・トレヴァー)。☆
『暗闇のヒミコと』(朔 立木)。☆
『ホットキッド』(エルモア・レナード)。☆☆☆
 ☆は独断と偏見。