平成20年11月28日 Vol 175
よかさ!
実りの秋
 ことしは台風が一度も上陸しなかったとテレビのニュースが報じていた。
 そう言えばそうだった。お陰でお米も近年にない大豊作。刈り取る稲も手にずしりと重かった。あんまり重いので腰を痛めてしまったが、腰は3日ほど寝て治っちゃったからまあよしとしよう。米の不作は3日じゃ取り返せないもんな。腰より米のほうが大事だ。と思えるようになったのだから父ちゃんもいよいよホンモノの百姓だ、まだ甘いか。

味覚の秋
 新米のうまさ。このうまさはどう表現したらいいのか。うまく言い表せない。
 でも、うまく言えなくてもいいや。なにも人に伝えなくたっていいんだもん。自分で食べるために自分でつくったのだから自分がうまけりゃいい。それだけのこと。
 うまいご飯におかずはいらないと言うけれど、本当にそうだ。ご飯だけ食べてうまい。そして、新米のうまさは冷えたときにもうまいということ。朝おにぎりを握って昼に食べる。これが最高!
いや、極上のうまさ!
 いまや米は自分でつくるより買って食べたほうが安いというのはたぶん間違いではない。だから稲作を辞めていく百姓は正しい選択をしているのだろう。でも、人生正しいと思ったことが必ずしも幸せを呼ぶとは限らない。何でも安けりゃいいのか。そうか。父ちゃんは偏屈だからそういう判断基準は持たない。手間がかかってもうまいほうがいい。
 新米もうまいが、新酒もうまい。ワインならヌーボーだ。ありがたいことに毎年、ボジョレーが悪友から届くことになっている。ことしももちろん来た〜〜ッ! 普段はうちでとれた野菜と魚しか食べてないが、ボジョレーが届く頃には毎年それに合った肴(マグロとか、国産牛とか、ハムとか)が悪友から届くことになっている。届くことになっている。届くことになっている。

行楽の秋
 秋は紅葉。ことしは10月3日に那須の朝日岳(栃木県)に登り早い紅葉を見て鹿の湯温泉で48度Cに浸かって栃木の銘酒に酔い、11月12日には雲仙普賢岳と国見岳(長崎県)に登って遅い紅葉を眺め古湯で汗を流し雲仙焼き窯元にお世話になって古酒に酔った。今週末には由布岳(大分県)に登って湯布院温泉でおだを上げる予定になっている。山と温泉と酒、最近はこのトライアスロンにハマっている。

スポーツの秋
 ゴルフの原稿は書かない、ゴルフもしない。そう決めて10年以上経ったけど、ここへ来てその決意がぐらぐら揺れている。というか、もう崩れちゃってぐずぐずになって、原稿は書くはプレーはするはで大忙し。悪友のH君におだてられて雑誌に原稿を書き、同じく悪友のプロゴルファーSちゃんからクラブのフルセットをもらって、悪友のS画伯から引きずり出されてとうとうラウンドしちゃった。クラブに当たるかどうか心配だったけど、なんとか当たってくれたのには自分でもびっくり。チョロはあったけど空振りは1回もなし。原稿料ががっぽり入ったのでプレー代もできた。どなたか誘ってください。

芸術の秋
 ピアノの発表会でジャズ・ブルースの名曲、チャーリー・パーカーの『now`s the time』を弾いた。夏から練習してきたのに不安が残り、リハーサルでも2度も途中でストップしてしまった。でも、いつものようになぜか本番ではバッチリ。どうなってるんだろう。腹をくくって「えい、やっ」とやればできるってことなのだろうか。
 個人の発表が終わったあと、サックスとセッション。これも「よかったよ」と先生に言われて、帰りに回転寿司で君子さんと祝杯。発表会は胃に悪いけど、でもジャズ・ピアノってやっぱり、いいな。
 
毒書の秋
 なかなか本を読む時間がない。やることとやりたいことが多すぎて、じっくり座っているひまがないのだ。HPの更新も滞っている。ばたばたしてるからたまに読む本もお気楽なものが多くなる。最近はこんな本を読んだ。談春が面白かったなあ。
『オン・ザ・ロード』(ケルアック)『警官の血』(佐々木譲)『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一)『チーム・バチスタの栄光』(海堂尊)『赤めだか』(立川談春)『世相講談』(山口瞳)『買えない味』(平松洋子)『忘却の力』(外山滋比古)『周平独言』(藤沢周平)『冷血』(カポーティ)『ウイチャリー家の女』(ロス・マクドナルド)『野獣死すべし』(大藪春彦)『サクリファイス』(近藤史恵)『ぼくは猟師になった』(千松信也)