平成14年2月11日 Vol 37
節分
 2月3日、節分。
 毎年、地域の子供会が、七福神の格好をして、豆まきに来てくれる。ことしも来てくれた。
 いちばん年かさの子が、玄関で口上を述べる。
 
 「あきほより参りました七福神でございます。
 鎮西将軍国、摂津の守源の頼光が、しょうじヶ岳というところに、
 鬼がすみ家をなすかなさぬかというそのときに始まった、鬼豆なり。
 田畑千町千俵、この家に入ったる福恵比寿、
 丹波の国の大江山、四天童子の年男、
 言うてもならず、言わでもならず、
 鬼は外、鬼は外、
 福は内、福は内、
 もっとも、もっとも、
 その声、その声、
 舞い込んだ、舞い込んだ、福の神が舞い込んだ、
 親も代々、子も代々、代々伝わる福恵比寿、
 福はこの家に、どてん、どっさり。
 
 そして、みんなで家に上がって、「鬼は外、福は内!」と豆まきをしてくれる。
 「福の神」と書いたお札と、豆をくれる。寸志を渡す。そうやって、ことしも、春が来た。
 田舎の春、日本の春。いつまでも残しておきたい琴海町尾戸の春。  
立春
 2月4日、立春。
 春が来たとは言っても、暦の上でのこと。まだまだ寒い日が続く。
 それでも、梅の花が咲き、桃や、ユキヤナギや、フキノトウの芽がふくらみはじめ、
確実に春の足音は聞こえてきている。冬より、やっぱり春がいい。
貝掘り
 潮が引いたのを見計らって、下の海へ貝掘りに。
 アサリ、マガリ、チュウチュウ貝、ウニ、ナマコ、オンジ貝、春の海からの贈り物。
 アオサのみそ汁も、おいしい春の香り。
たい肥運び
 ミカン園や野菜畑に、たい肥を運ぶ。
 近所の牛飼いさんから分けてもらった牛糞たい肥は、ほっかほっかでおいしそう。たい肥がおいしそうなんだもん、ミカンや野菜だっておいしいものができるに決まってる。
 科学肥料は、何が入っているか分からない。ラベルは信用できないから、父ちゃんも母ちゃんも使わない。
夢田舎
 雑誌『夢田舎』がリニューアル。こんど新しく手がけるようになったのが、父ちゃんの昔からの友人、H君。
 センスあふれる才人なので、きっとおもしろい雑誌に生まれ変わるはず。ご期待ください。まだちょっと先だけど、3月30日発売だそうです。
 父ちゃんも、頼まれて原稿書いてます。8000字書きました。
 その打ち合わせに、H君、わざわざ東京からやって来てくれました。たまたま連休だったので、家族孝行の旅行も兼ねて。昔話に花を咲かせて、楽しい3日間でした。
NHK
 またまた、NHKが取材に来るそうです。
 4月24日放映の、『人生自分流』という新番組だそうです。
 でも、父ちゃん、「もう、話すことなんか、ないよー」。
 「最後にお聞きしますが、これからの夢は何ですか」
 って、また聞かれるんかなあ。
 父ちゃん、この質問がいちばん苦手。だって、ほんとのこと言って、夢なんかないんだもん。
 でも、そう言っちゃおしまいだし…。
 いまが幸せ、いまで十分。