平成14年2月16日 Vol 38 | |||||||||||
骨折 母ちゃんが右足を骨折した。 ことしからカキの養殖を始めることになって、それにはまず、カキの種を吊すイカダをつくる必要があるってんで、竹林に竹を切りに行った。太い孟宗竹でイカダを組むのだ。それを海に浮かべる。 もちろん初めてのことなので、例によって佐藤さんのご指導を受ける。というか、佐藤さんを巻き込んで、一緒につくろう、つくってもらおうというコンタン。 で、佐藤さんの竹林で父ちゃんが竹を切っている最中に、横で手伝っていた母ちゃんの右足に切り倒した竹がバキッとぶち当たったというわけ。なにせぶっとい孟宗竹、しかも竹にはしなりがある。ピーター・アーツの回し蹴りにあったようなもの。いかに頑丈な母ちゃんの足でも、こりゃかなわない。ダウン。 町立病院に担ぎ込み、玄関で車いすに乗せて押していった。町立病院に行けば顔見知りばかり。先生も看護婦さんも、患者の中にも知り合いが大勢いるから、あちこちから声がかかる。 「どぎゃんしたと」 みんな、心配してくれる。 「はーい、きょうから私がヘルパーでーす」 |
|||||||||||
新米ヘルパー 逆のケースは予想したことがあるけれども、(つまり父ちゃんがボケて、ヘルパーの母 ちゃんが車いすを押してくれる)、まさかこっちが母ちゃんの介護をするとは考えもしなか った。 新米ヘルパーは忙しい。 炊事、洗濯は母ちゃんが片足で立ってやってくれるからいいが、料理を運んだり、洗濯 物を干したり、やれ、ヤギの餌、ニワトリに餌をやれ、ダイコンを畑から抜いてこい、あれ 取れ、これ取ってくれと指令が飛ぶ。敵はギブスの足を投げ出しているので、やらない わけにいかない。いままでのカタキをとろうと、楽しんでいる気配も見える。「そこの新聞 とって」と言うから、それくらい自分でやれと言うと、「痛い、痛い」ととってつけたように顔 をしかめたりして。「ああ、のどが渇いた」なんてことも言う。 コノォ、いい気になりやがって…。 |
|||||||||||
お見舞い 早速、皆様からごていねいなお 見舞い、ありがとうございます。 田舎の情報網は、このところさ らに高速化が進んでいるようで、 病院から帰ってきて家に入ったと たん、もう電話が鳴った。「尾戸 ネット」の早さにはホント、びっくり する。 「母ちゃんが町立に入院したと。なしてまた」 「子供が出来て」 「なんて!?」 夕方には、お見舞いのお客様も続々。Tちゃんは、バシバシはねるクロメジナ2匹とカ キをどっさり。Yちゃんは、男なのに料理がうまく、トリとダイコンの煮物を鍋ごと持ってき てくれた。「台所に立てないと思って」だって。うれしいよね。みんな、父ちゃんがダメ親父 なのを知っている。 |
|||||||||||
カキの養殖 波止場でイカダを組んだ。佐藤さんは昔、カキの養殖をやっていたので、やり方はすべて心得ている。奥さんも手際がいい。竹を縦横に並べて番線でしばり、浮きをつけて、カキの種を吊すひもを取り付ける。 カキの種は、漁協からもらってきてある。広島産のカキだ。種は貝殻につけてある。 いかりを2つ、近所の鉄工所で買ってくる。 翌日、イカダを船で引っ張って養殖場まで運んで行き、設置した。これにカキの種を吊して、あとは待つだけ。ことしの暮れには、大きくなったカキが沢山とれる…、予定。ほっほ。 |
|||||||||||
海底耕運 大村湾からさらに入り組んだ形上湾は、ナマコやタコの漁場。その漁場が汚れているというので、ことしも漁民が揃って海の大掃除をした。もちろん、父ちゃんも参加。朝8時半から、午後4時まで。 赤貝を捕る時に使う漁具を船で引いて海底を掘り起こし、酸素を入れることで海を浄化する。同時に、網に入ったビニールやビン、カンなどのゴミを拾い集める。 毎年のことながら、ゴミの多さに驚く。そして、あきれる。 |
|||||||||||
バレンタインデー ことしも、仲良しのK子ちゃんが、チョコレートを持ってきてくれた。 まあ、たいがいのおやじは、もらってもせいぜい義理チョコで、「けっ、なにがバレンタインデーだ」なんて斜に構えているんだけど、父ちゃんは違うぞ。モテるからな。 いまも、愛のチョコをかじり、ウイスキーをチビチビなめながら、パソコンのキーを叩いているんだな。 |