平成14年3月29日 Vol 43
お花見
 春は桜。桜といえばお花見。ことしは開花が早くてあわてた人も多いみたいだけれど、みなさん無事にお花見は済ませたのだろうか。上野のお山はどれくらいの人出で賑わったのだろうか。
 3月27日、金子農園でも、恒例の花見をした。ただし、わが家の花見は桃園が会場。庭には桜が3本しかないので、ことしも満開の桃の花の下で、遠くに桜を眺めながらのお花見。
 母ちゃんがこしらえたおいなりさんや、卵焼き、タケノコの煮物、イノシシのレバー煮などを重箱に詰め、剣菱と数正宗を下げて、みんなで会場へ。みんなというのは、母ちゃんのほか愛犬ゆめと、愛山羊ハイジ、さくらの娘たち。ほかには誰も来ないから、場所取りはいらない。好きな場所にござを敷く。
 寂しくないかと心配するむきもいるけれど、寂しくない。人、ひと、ヒトの花見もそれはそれでいいのだろうけど、この頃は、静かな花見のほうが落ち着けていい。酒も静かに飲みたい。歌なんかなくていい。
 ウグイスや、メジロ、ホオジロ、イカルなどが鳴き、おいなりさんに桃の花びらがひとひら。普段、昼間は酒を飲まないと決めているけれど、お花見となれば話は別。青空の下での花見酒は、うますぎていけねえ。
 タケノコは、ことしの初物。「初物食うときは西見て笑え」というので、二人で西を見て笑う。それがおかしくて、また笑う。
 やがて酔いが回って昼寝のお時間。一枚のござの上で、くっつき合って寝る。ミツバチの羽音がぶんぶん。青空にトビが舞っている。
露天風呂タレント
 タレントの桂菊丸さんに、「よっ、日本初の露天風呂タレント!」とひやかされたことがある。
 どうやら、ほんとにそうなっちゃったらしい。
 NHKの取材で、また、裸にされてしまった。けっこう喜んでやってんじゃないのと思われるかもしれないが、そんなことはない。若いおねえちゃんの裸を見るのは好きだけど、自分の裸を見られるのははっきし言って好きじゃない。腹の出た裸をなんで喜んでみんなに見せなきゃいけないのよ。
 それにだ。露天風呂タレントは、落ち目の女優と違って、脱いだって一銭ももらえないんだぜ。
 よく、テレビに出るとたくさんお金をもらえるんでしょと聞かれるが、「ぜんぜん」だ。こんどだって、8日間もべったりくっつかれて、いただいたのは安いウイスキー1本と紅茶1缶だけ。
 それじゃあ、なんでOKするのよということになるんだけど、父ちゃん、「お願いします」と言われると、どうしても断り切れない。気が弱いんだねえ。 
関西テレビ
 その気の弱さがまた出て、こんどは関西テレビに押し切られた。
 「関西なら知ってる人もそういないし、東京や長崎では放映されないというので、ま、いっか」
 で、またしても露天風呂でヌード撮影。リポーターは、落語家の桂雀々さん。
 放映は、4月3日(水)午前10時45分から、『痛快!エブリデイ』だって。
『夢田舎』発売中
 田舎情報誌『夢田舎』が、3月29日に発売された。
 田舎暮らしに興味のある方はぜひ、本屋さんで手にとってみてください。前号までの夢田舎と違って、大幅にリニューアルされているので、きっと驚かれるはずです。
 ちなみに、編集しているのは友人の本條強くん。題字はこれまた古い付き合いの嶋口信義くん。
 父ちゃんも、昔取った杵柄で、7ページも原稿を書いてます。
 『田舎暮らしの鉄人』と紹介されているのは、ちょっと照れるけど。 
惜別
 3月は別れの季節。仲良しの友だちが去る。
 同じ東京からの移住組ということもあって仲良くしていたJくん一家が、東京へ旅立った。
 イギリス人の画家、Sくん一家は、奥さんの故郷スペインへ帰る。
 まだ40代半ばのTくんは、脱サラし、4月から北海道で夢の田舎暮らしをスタートさせる。
 みな、それぞれの事情や希望を胸に、住み慣れた土地と友だちに別れを告げる。
 新天地で、元気で楽しく暮らしてほしいと願う。
 「人間到るところ青山有り」
 元気で!