平成14年7月4日 Vol 53
緊急手術、失明か!?
 7月3日、大事件発生。母ちゃんが、「ヤギに(角で)目を突っつかれた」と言って、家に飛び込んできた。顔中、血だらけ。すぐさま、町立病院へ運ぶ。夕方で病院はもう終わっていたが、運よく当直が眼下の先生で、早速診てもらうと、「結膜が裂けて、下の筋肉が露出しています。まぶたもかなり裂傷しています。このままだと何らかの後遺症が残ると考えられます。手術をしたほうがよいと思われますが、家族の方ですよね、手術に同意していただけますか」と言う。
「そうですか。分かりました。思う存分やってください。ついでに、二重まぶたにしてください。あ、そうだ、この際、目尻の小じわもとってやってくれますか」と、同意する。「ついでに、豊胸も」と言おうとしたけど、これは言葉を飲み込んだ。
 そこへ、院長が顔を出す。「どうしたんですか、金子さん」「いや、夫婦げんかでつい手が出て」「えっ」「ジョーク、ジョーク、実は…」と、ドメスティック・バイオレンスじゃないことを説明すると、「そりゃ大変、きみ、この人はぼくの友だちだからね、たのみますよ」と、若い医師に言ってくれる。
 母ちゃんは青い手術着を着せられ担架に運ばれて手術室へ。父ちゃんは、母ちゃんが脱いだ衣類とバッグを持って、廊下でおろおろ。
 知り合いの看護婦が走ってくる。「いま聞いて、びっくりしました。目をねえ。心配ですねえ。この前は足を骨折して」「そうなのよ。やっと足が治ったら。でも、細い目でよかったよ。角が入りきらなかったから」「そんなこと言うもんじゃありません。この前、牛の角に突かれて眼球が破裂した患者さんがいたんですよ」。
 あやや。やばいじゃないの。それにしても、ずいぶん長くかかるなあ…。眼球破裂か、失明でもしたらどうなるんだろう。おれが家事をやるのかなあ。
 待たされること3時間(実際は30分くらいだったかもしれない)、顔中、包帯ぐるぐる巻き(実際は眼帯だけだったかもしれない)で、ふらふらよろけながら看護婦に支えられて出てくる。
 とりあえず、手術は無事成功したようなので、葬儀屋の予約はキャンセル。「最後は畳の上で」と頼んで、入院は断り、家に連れて帰る。弱々しい声で、「今夜は、何か買ったもので済まそう」と言うので、帰る途中、スーパーに立ち寄り、ハマチの刺身と焼き鳥とウナギ弁当を買って、わびしい晩酌をした。
 そして、翌日から再び父ちゃんの、「ヘルパー&お抱え運転手家業」は、始まったのだった。敵はこのときとばかり、「あ、見えない、見えない。お父さん、やって」ってわがまま言い放題。    
ヤギ
 ヤギやヒツジはおとなしい動物と思っている人が多いと思うが、ヒツジは知らないが、ヤギは結構、乱暴者と言っていい。父ちゃんもかつて、眉間をいきなり突かれたことがあった。雄はとくに乱暴で、ヤギ小屋はいままで何回もバラバラにされた。前にも書いたことがあると思うが、知人にあげたヤギが乱暴で手に負えず、あちこちたらい回しにされたあげく、やがてどこかへ葬り去られたということがあった。これから飼ってみようと思っている人は、くれぐれもお大事に。 
夏休みの予約開始
 金子農園ファームステイ。友人限定で、ことしも受付を始めています。毎年、夏休み期間中は混雑が予想されますので、予約はお早めに。 
お下りさん
 「週刊ポストを読んだよめーる」が届いている。
 「レイアウトをしていたら、いきなり金子さんの名前が出てきたのでびっくりしました。ぼくは相変わらずで、もう、ポストに20年います」とは、昔一緒に仕事をしたことがあるデザイナーのA君。
 「昔、雄嶺山岳会で一緒に山へ行っていたKです」と言ってきたのは、40年前はとてもかわいらしかった女性登山家。「世田谷工高のブービーNです。HPおもしろく読んでます」とは、高校の同窓生。
 10年ぶりや40年ぶりなんていうなつかしめーるで、びっくりしている。特に親しかったわけではなくても、昔の友からの連絡は素直にうれしい。でもなあ、これでまた、見学者が増えるのかなあ。ポストの読者じゃなあ。うれしくないよなあ。
 それにしても、「お下りさん」と書かれたのには笑えたぞ。「お上りさん」よりは、ずっとしゃれてていいけど。 
悪友列伝
 新しい企画を考えてる。
 少しマンネリ気味だからな。タイトルは「悪友列伝」。サブタイトルが「これがオイラのトモダチだ」でいこうと思う。日夜、ペンの暴力をふるうカネコという男は、どうやってつくられたのか。それは、トモダチを見れば一目瞭然。「あ、これなら無理ないや」とナットクしてもらおうというわけ。朱に交われば赤くなる。酒に交わっても赤くなる。毎回1名ずつ、血祭りに上げる。友よ、覚悟!近日公開処刑。