平成14年10月7日 Vol 61
脱穀
 6日(日)、稲の脱穀をした。
 稲刈りをしたのが9月21日だったから、ちょうど半月間、天日干ししたことになる。その間、天気もよかったので、しっかり乾いている。途中、激しい雨が一度だけ降ったか。
 いまは機械で一気に乾燥させるのが普通だが、「機械で乾燥させた米はまずか」と、友人の生産者が言っている。言っているけど、やっている。
 父ちゃんは、うまいご飯が食べたいから、じっくりと時間を掛けて天日干しにする。
 手間がかかってもいい。面倒でもいい。うまいご飯は、何物にも代え難い。
 うまいご飯、食べたことありますか。うまいご飯は、本当にうまいからね。ご飯の一粒一粒が立っていて、おかずなんかなくてもご飯だけで食べられる。
 ことしは、もみで11俵半とれた。まずまずの豊作だ。子どもたちに送って、あとは夫婦二人で、ちょうど1年分ある。うれしいよね。
ニワアゲ
 脱穀が終われば、お祝いだ。
 田植えをしてもお祝い、稲刈りをしてもお祝いだけど、脱穀して新米を家に運び込んだら、これは派手にお祝いをしなけりゃ、お米様に申し開きが立たない。お天道様にも申し訳ねえだよ。
 というわけで、こちらでは、そのお祝いの儀式、「ニワアゲ」を行うのが慣わし。
 例によって多大なお世話になった佐藤さん夫妻を招いて、「お陰様でありがとうございました」「いやあ、よかった、よかった」で、秋の夜はふけるのであった。
博多
 博多へ行って来た。
 長崎へ来て8年になるけれど、博多へ出向くのは初めて。いやー、博多は都会だった。
 M嬢のクルマで連れていってもらったのだけど、さすがに、琴海町とは違った。博多天神では、ミニスカートが大勢闊歩していた。
 M嬢はクルマの洪水の中をすいすい泳いで行ったけど、「ああ、おれはもう、都会でクルマを運転できないな」と悟りました。ツエルマットを歩くシューズを買ってきた。
風邪
 都会の空気を吸ったせいか、その晩から、風邪を引いてしまった。
 風邪を引くなんて、いつ以来か。まさしく、鬼のカクラン。
 せき、のど痛、鼻水だらだら、頭痛、高熱。あんまりひどいので病院へ。
 A医師「おや、めずらしい」 患者「のどが痛くて、頭も…」 
 A医師「露天風呂で酒飲んで、裸で寝たんでしょう」 患者「コン、コン」(せき)
 A医師「極楽湯は混浴なんでしょう」 患者「ズルズル」(鼻水)
 A医師「こんど看護婦と…」 患者「早く診てよ」
ケイタイ
 いまや、日本人の2人に1人はケイタイを持っているんだとか。新聞にそう出てた。
 うちは父ちゃん、母ちゃんの2人暮らしだけど、2人とも丸腰だ。
 いま、娘が孫を連れて遊びに来ているが、驚いたことに、その1歳の孫がケイタイを持っている。田舎者は知らなかったが、世の中、もうそこまで来ているんだな。
 まだ、「まんま」も言えないのに、孫はケイタイを耳に持っていって、「チー、チー」とやっている。
 娘に聞いたら、本物のケイタイなんだとか。「3個100円で売ってたから、子どものおもちゃにいいと思って」だって。「モシ、モーシ!」
夢田舎
 『夢田舎』Vol.28が、9月30日に発売された。
 連載中の、「金子数栄の田舎暮らしの鉄人」は、今回が4回目で、「自然の恵み」について書いている。
 しいたけ、はちみつ、玉子かけご飯など、思わずゴックンとのどが鳴るようなおはなしを書いてます。
 巻頭の特集は、「心がやすらぐ憧れの古民家暮らし」。必見です。