平成15年3月17日 Vol 77

春の香り
 
 裏山を歩いていたら、タラの芽を見つけた。
 「あれっ、もう出ているのかい。あっ、こっちにも」。
 早速、ちょうだいしてきて天ぷらに。うーん、うまい!
 君子さんは、キクラゲをとってきた。「ほら、こんなにたくさん」。春はもう、確実にそこまできている。
 海にも春が。
 君子さんは歩いて下の浜へアオサとり。父ちゃんは船でワカメとり。
 みそ汁は、春の磯の香り。尾戸の春はオ・イ・シ・イ・ぞ。  
女子大生
 某大学の4年生、Mちゃんが、スローフードの体験学習で東京からやってきた。
 スローフードについて卒論を書き、すでにナチュラルフード関係の会社に就職が決まっているのだが、その前にスローライフ実践者のところで現場を見ておきたいのだとか。
 いいじゃないの。どうぞ、どうぞ。いらっしゃい。そういう真面目な人、大好き。真面目じゃなくても、女子大生なら大歓迎。(ただし、46歳以上、初対面、デブ、おしゃべり、専業主婦、美しくない、厚かましい、ケチ、子供連れ、非常識。このうち5つ以上に該当するひとは歓迎しません)
 というわけで、夕方やって来たので、初日は軽くガイダンス。そのあと、七輪に炭を入れ、庭で牡蠣焼きのウエルカム・パーティ。引率のT嬢が持参した白ワインと、Mちゃんが持ってきたジャック・ダニエル・マスターで乾杯。日が暮れて炬燵に場所を移動してのスローフードは、ツワとコンブの煮物、キクラゲとアコヤ貝の貝柱の炊き込みご飯。「えーっ、これもこれも初めてです。おいしいですぅ」
 2日目は、ビニールハウスのビニール張り。そのお手伝い。午後は、里芋の植え付け。夕方は風呂焚き実習。薪の風呂焚きはもちろん初体験。「えーっ、どうして消えちゃうんだろ。ワカンナイ」「はい、よく考えましょう」
 3日目は、里山散歩で木や花や小鳥の名前をたくさん覚えて、無事、2泊3日の研修を終了したのだった。   
ダメ男  
 女子大生が来れば、男子学生からも声がかかる。
 ハワイの大学に留学している日本人学生からメールが来た。
 「初めまして、…ホームページをすべて拝見しました。スゴク笑わせてもらいました。僕の周りもバカばっかり。そして僕も。通称、『ダメ男会』です。7月に日本に帰ります。金子さんのところを訪れてもよろしいでしょうか。文章の書き方についても教えてください」
 返信。「おーし、分かった。来てもいいぞ。やる気があるなら、弟子にしてやる。バカな文章の書き方も教えてやる」
 すぐ返信の返信がきた。
 「弟子にしてくださってありがとうございます。ついでに、ダメ男会の名誉顧問にもなってください。いや、もう、決めましたのでよろしく」 
小さな村
 インターネットは地球を小さなひとつの村にする、とかなんとか言ったひとがいるらしいが、確かにそんな感じはするな。近頃、やたら海外からのメールが増えている。アメリカ、オランダ、ベルギー、デンマーク、ニュージーランド、そしてきょうはオーストラリアからメールが届いた。
 「初めまして、パースに移住してきた者です。ホームページを見せてもらってぜひ、お話をしたく…、どうぞ一度、遊びに来てください」
 でもな、いくら地球が小さな村といっても、自転車じゃ行けないもんな。  
オドロク尾戸録
 いろいろ、たくさんのご講評ありがとうございます。
 行くと来る。「これはひとつのいわゆる民俗学として、もっと広く深く考察してみるとおもしろいと思います。ポリネシア人はおそらく、『行く』のほうじゃないでしょうか」と指摘されたHさん、そうですね、調べてみましょう。