平成15年5月14日 Vol 82
連休
 「HPいつ更新するのか」の催促がやいのやいの。
 あのネ、百姓はね、忙しいのよ。連休なんてないの。
 桜が散るとね、雑草が伸びて伸びて、もう、大変なの。畑も、ミカン園も草ぼうぼう。田んぼの準備もあるし。朝から晩まで体動かして、くたくたになって、パソコンに向かう余裕なんてないのよ。
 田舎は時間がゆっくり流れるだの、スローライフだの、誰がそんな間抜けなこと言うのよ。(あ、オレか?)

 ゴールデンウイークは、例によって、千客万来。
 近くから遠くから、仲良しの友だち、見知らぬ人、今年もいろいろなお客様がお見えになりました。
 いきなりタクシーが庭に入ってきて、「あ、ここだ、ここだ」と降りてきた4人連れ。80歳くらいのおばあさん3人と、おじいさん1人。「テレビで見たんです。神戸から来ました」。
 「何か織物かなんかされてるんでしょう」「いえ、織物はしてません」
 「染色でしたっけ」「いえ」
 「何かお作りになってるんでしょう」「いま、小屋の修理はしてますけど」
 「あら、そうですか。でも、きれいなとこねえ。ちょっとお庭を見せていただいていいかしら」「はい、どうぞ」
 わずか5分ほどの滞在。待たせていたタクシーでお帰りに。神戸から。
 なんでだろう、なんでだろう?
 
 宿泊客は、弟子のヨースケ夫妻が、1泊2日の田舎暮らし体験実習。
 まずは修理中の丸太小屋の防腐剤塗り。師匠が内壁、弟子が外壁。弟子はペンキがはねて一度で高級シャツが台無しに。あーあ。
 夕方、刺し網を入れに行く。帰りにカゴを上げてメバル10匹。遊びに来たM嬢、O嬢と一緒に遅くまで盛り上がる。
 翌朝6時に網上げで漁師体験。コノシロ、グチがまずまず。朝食のあとは小屋の修理、大工見習い実習。夜は反省会と焼酎の実習。 
男の隠れ家
 裏の丸太小屋を修理して、男の隠れ家をつくろうとたくらんでいる。夫婦喧嘩をしたら逃げ込む場所。男には、いつだって隠れ家が必要なのだ。
 実は、すでに屋根裏に隠れ家をひとつ持ってはいるのだけれど、屋根裏というのは暑いのだな。夏なんか5分も入っていられない。逃げ込んで5分で降りて来たんじゃ格好がつかない。だから、いままで夏の期間中は、できるだけ売られた喧嘩は買わないようにグッとこらえてきたのだった。屋根裏の隠れ家は、作戦としては失敗だった。
 で、裏に目を付けた。西日は当たるが、屋根裏よりはましだ。ここなら3日ぐらい籠城できる。冷蔵庫を置けば、1週間はもつだろう。備えあれば憂いなし。こういう準備は早くしといたほうがいい。
 屋根を葺き替え、天井に板を張り、電気を取り付け、丸太に防腐剤を塗り、壁に漆喰を塗った。あとは窓に網戸を取り付け、床張りすれば完成。漆喰塗りは初体験だったが、なかなかの出来。いい感じだ。
 ところで、防腐剤を塗った翌日、その防腐剤が発ガン性のなにやらを含んでいるとかで近々発売禁止になるという記事が新聞に出てた。おいおい、やめてよ。脅かさないでよ。きのう使ったばかりよ。前の日に言ってよ、そういうことはさ。でも、いままで何回も使ってるし、いまさら言われてもなあ。手遅れか。ああ、おれはガンになる。 
杉の丸太
 杉の丸太をもらってきた。40年物。長さ2b、直径30a〜40aの丸太11本。早速、皮を剥いた。さて、何をつくろう。とりあえず、隠れ家用のテーブルとイスをつくろうか。でも、暇がない。  
田の準備
 4月29日、田んぼの草払い。
 5月4日、田んぼの草払いと溝掃除。
 6日、種籾と土をOさんから分けてもらう。
 9日、種籾づけの土入れ15箱と、ビニールトンネル用の竹切り。
 10日、種籾づけ。今年から独り立ちで我が家の庭にトンネルを設置。
 11日、田起こし。S君がやってくれる。
 13日、田の水入れ。
 忙しい。忙しいが胸わくわく。だって、これでお米が出来るんだよ。
母の日
 横浜に住んでいるおふくろ。果物が好きなので、君子さんが旬のビワを2箱送る。
 ことしの母の日は11日、日曜日。
 入れ違いに、おふくろから手紙が届いた。手紙と一緒に金一封が。
 「結婚記念日おめでとう。少ないですが、これでワインでも買って二人で乾杯してください」
 やめてよ。おれ、61歳だよ。子どもじゃないんだぜ。いや、子どもか。なんで、90歳のおふくろからお小遣いをもらうのよ。毎年、もらってから、「あ、そうだ」と気づく結婚記念日。
特選田舎料理 
 
4月の5つ星から。
 左から、メバルの唐揚げ、チヌの刺身、コノシロとメバルの刺身、ヒラメの刺身、ミズイカの刺身。