平成16年3月8日 Vol 98
年金でサックスを買う
 NHK総合テレビの、『ものしり一夜づけ』に引っ張り出された。
 なんと、テーマが、「めざせ!おいしい年金生活」。で、送ってもらったビデオを見てたら、結論が、「年金でサックスを買う」だって。糸井重里が言ってた。
 近頃は、テレビでも雑誌でも、年金問題さえやってれば視聴率が稼げるんだとか。困った世の中になりました。寝ても覚めても年金、年金。どうしてこうなっちゃったんでしょうか。
 幸いなことに父ちゃん、昔っから貧乏には慣れっこになっちゃってるから金のことなんかあんまり考えない。いつだって無頓着。あればあったでみんな使っちゃうし、なけりゃないで平気。なけりゃないだけの暮らしが出来る。だから、去年から年金がもらえるようになってはいるのだけど、いくらもらってるのか知らないし、だいたいそういうことに関心がない。そんな番組も見ないし、記事も読まない。拝み倒されて渋々汚えツラをさらすだけ。
 ところが、やっぱしみなさん、年金には強い関心があるんですね。まあ、それが当たり前なんでしょうけど。例によって、「見た」という声がいっぱい届いた。
 「いまモンゴルに来ているんだけど、たまたま宿でテレビを見ていたら、いきなりカネコさんが出てくるんだもん、驚いたあ!」と悪友から絵はがきが来たのには笑ったが、笑えないのもあった。NHKにも役場にも、「連絡先は教えないで」とお願いしておいたのだけど、それでも、全国から沢山の問い合わせ。「訪ねたい」「話を聞かせてほしい」「そちらに住みたい」という相談。神奈川や茨城、名古屋などからわざわざやってきた人もいる。
 ハッキリ言っておきますが、テレビはいいとこばっか写すんです。
 もちろん、田舎にはいいところもあるんだけど、大変なところもいっぱいあるんです。テレビでおいしいところだけ見てよさそうだからって、それだけで「行ってみよう」なんて、あまり安直に考えない方がいいと思いますよ。
 ご先祖様から預かった土地は簡単には売ってくれないし、きれいな空き家なんかもありません。仕事もないです。農作物はできても売るのが大変。たとえ売れてもめちゃくちゃ安い。お金は稼げません。近所づき合いに到っては、これはもう超難関。お金が無くても暮らせるのはアタクシたちのような脳天気な夫婦だからであって、誰でもできるんだなどと思わないでください。オネガイシマス。
 
ゆったりと 
 3月7日(日)の朝日新聞、「声」欄に父ちゃんの駄文が掲載された(西日本だけかな?)。
 テーマが、「ゆったりと」とあったから、これはアタクシの出番でしょと思って久しぶりに書いて送ったら、「メイブンですね」と担当者から電話が入った。「そうですか」と父ちゃんそっけない返事。だって、メイブンと言われたって、もしかしたら、「迷文」かもしれないからな。
 静かな田舎へ行って好きな本でも読んでのんびり暮らそうと思って田舎暮らしを始めたら、これがとんでもない誤算だった、という話を書いた。
 それなのにまた、お客さんが増えた。日曜日くらい、のんびりさせてよ。テレビでマラソン中継見たいのよ。オネガイシマス。

海を見ながら
 マスコミに取材されるだけでなく、自分でも文章を書いているんだから自業自得なんだけど、でもやっぱり何か書いていたいと思うのは、これは何なんでしょうね。やっぱり、今井毅先生に、『快楽生活術』のなかで喝破されたように、「他者から高く評価されることを期待する自律型」なのでしょうか。「自律型は自慢話をしたがる」そうですが、それもズバリ当たってます。父ちゃん、ホームページのなかでも、いつもたらたらと自慢話をしては嫌われています。
 これも自慢になるんでしょうが、ホームページの新コンテンツ、『海を見ながら』の「愚直に生きる」、悪友連からちょっとした反響をいただいて驚いてます。愚にもつかない身辺雑記なので、一方で多くの方からはフンの一言で片づけられているのは分かってます。でも、親不孝を重ねた男どもには、何か触れるところがあったのでしょうか。
 自律型・雑文書きの端くれとしては、やはり反応は気になって、「読んだよ」の声はうれしいこと。これからも、もし何かありましたらただ読みでなく、どうぞ一声よろしく、オネガイシマス。


孫台風上陸
 3月6日(土)、「暖かい九州のおじいちゃんのところへ行こうね。水着も持って行って海でじゃぶじゃぶもしようね」と、茅ヶ崎に住む娘夫婦が孫を連れて遊びに来た。
 吹雪の歓迎となった。「雪国へようこそ!」。飛行機は大幅遅れ。フェリーは大揺れ。
 翌7日(日)、朝起きると一面、銀世界。庭も山も真っ白。
 海水浴は中止して、雪合戦。
 啓蟄も過ぎたんだぜ。オネガイシマスヨ。