点字印刷事業部新設

はじめに
 今日、バリアフリー、ユニバーサルデザインといったものに代表されますように、誰もが使いやすい建築物・施設・商品などが開発され、使用されるようになってまいりました。
 しかしながら、視覚障害者にとっては、それらが充分に機能されているかどうかは、疑問に思えます。たとえば、点字ブロックの上に二輪車が置いてあったりします。視覚障害者に対しての理解が足りないため、このようなことが現実におきてしまっています。さらには、視覚障害者が充分な情報を得られないために、社会的な不利益が生じてしまう事もあるのではないかと思われます。
 10数年前より長崎県立点字図書館のご指導の下、パソコンと点字プリンターを使用して業務を行っておりましたが、出来ることが制限され思うように捗らないのが現状でした。
 そこで、昭英印刷点字印刷事業部では、一民間企業として、視覚障害者に点字印刷を通じて、より正確で、迅速で、充分な情報提供ができるようにするため、設備を増設し、本格的に点字印刷ができる環境を整えました。
 さらには、今まで培ってきた印刷のノウハウを活かして点字と墨字の同時印刷、高齢者や弱視者のための大文字印刷もご提案していきたいと思います。
 点字の持つ情報媒体としての、機能のすばらしさ、奥深さを、ひとりでも多くの人に関心を持って頂き、当事業所がその情報発信基地として、機能していけるように、日々研鑽を重ねながら努力していきたいと思います。

点字印刷物ができるまでの工程
原稿 手書き・ワードや一太郎のテキストデータ
入力 手書きの場合はテキストデータ入力し間違いがないかどうかを、チェックします。その後、テキストデータを点訳ソフトで点字データに変換します。点字編集ソフトを使用して、マス空け等のレイアウト調整を行います。
校正 入力・編集された内容が、原稿とあっているか、また点字のルール(分かち書き、切れ続き、組体裁等)どおり点訳されているかを最終チェックします。
製版 点字データを点字自動製版機で亜鉛版に製版します。
仮印刷 点字印刷機で1枚仮印刷し、触読可能かどうかを、再確認します。
印刷 出来上がった亜鉛版に、用紙を挟み込み、点字印刷機にかけ、プレスします。
※印刷する部数や用途により、製版は行わず、点字プリンターにて印刷する方法もあります。
丁合製本 出来上がった点字印刷物を重ね合わせ、本の形にするため、表紙をくるんだり、バインダーで綴じる等の加工を行います。