自給自足・半農半漁・晴耕雨読の物語
自給自足で


39 そばのこと (十割そば)
そばには、こだわりたい、と思う。
うどんには、別にこだわりたいとは思わない。
うどんも、嫌いではないけれど、
うどんで酒を飲みたいとは思わないもんね。
うまいそばで、うまい酒を飲む。
これ、最高。
というわけで、ぼくは、うまい酒を飲むために、
うまいそばを自分でつくろうと思い、
畑にそばを植えた。
自分で育てたそばを、石臼で挽き、自分で打つ。
これは、はっきり言って、いい気分です。
いい気分だから、酒がうまいのです。
本で読んだことだからどこまで本当か分からないけれど、
そばの75%は韓国からの輸入なんだってね。
ま、それはいいけれど、そばにはそばの規定があって、
そば粉が30%含まれていれば、それは「そば」と
認められるのだと聞くと、それはなんなんだ、と思う。
 実際、そういうそばを出しているそば屋もあるそうな。
ぼくは、そういうそばは食べたくない。
そばは、やっぱり、十割そばであってほしい。
十割そばこそ、ホンモノのそばという気がする。
ぼくは、そういうそばで酒を飲みたい。
多くのそば屋は、そばを機械で挽く。
忙しいのに、いちいち石臼なんかで挽いていられない。
その代わり、機械で挽けば熱を持つので、風味が失われるという。
石臼には、それがない。
だからぼくは、石臼で挽く。
そして、余計なものは混ぜない。
そば粉十割。
そばの香りが、部屋中に充満する。
挽きたて、打ちたて、ゆでたてのそばで、
酒を飲む。
やめらんねえ。