アバドン


前1世紀頃『感謝の詩篇』第3章(日本聖書学研究所訳『死海文書』iconより)
 主よ、感謝します。げにあなたはわたしの生命を亡びから贖い、アバドンの陰府から永遠の高きにわたしをひき上げもうた。
 この後、「ベリアルの奔流はアバドンに突入し」という文章も出てくるが、そちらはベリアルを参照のこと。

1世紀頃『ヨハネの黙示録』第11巻15章(日本聖書協会訳『新約聖書』より)
 これらのいなごは、出陣の用意のととのえられた馬によく似ており、その頭には金の冠のようなものをつけ、その顔は人間の顔のようであり、また、その髪の毛は女のようであり、その歯はししの歯のようであった。また、鉄の胸当てのような胸当てをつけており、その羽の音は、馬に引かれて戦場に急ぐ多くの戦車の響きのようであった。その上、さそりのような尾と針とを持っている。その尾には、五か月のあいだをそこなう力がある。彼らは、底知れぬ所の使を王にいただいており、その名をヘブル語でアバドンと言い、ギリシヤ語ではアポルオンという。
 これが有名な典拠すね。このいなごの姿を、アバドンの姿と捉えられることもある。

1678年ジャン・バニヤン『天路歴程』(幻想出版局『幻想文学36』より引用)
 すると、アポルオンは凶暴な憤を発して、言った。己はその「王」の敵だ。その人がらと、その掟とその民を憎んでいる、己はわざと貴様を邪魔をするために来たのだ。
 すみません、現時点では抜粋しか読んだこと無いので、流れがわかりません。読みしだい、更新します。現在は低年齢向け訳版『天の都をさして』iconで読めるらしい。

1812年コラン・ド・プランシー『地獄の事典』アバドンの項(講談社)
 破壊者。第七の魔神の長。黙示録の殺戮の天使がこの名で呼ばれることもある。
 アポルオンApollyonはギリシア語で「破壊者」という意味。



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