最初は?
まずは、ご家族の方との相談になります。
くり返しになりますが、家族や周りの人がどんなに訪問支援を望んでいても、本人が望んでいなければ無意味です。
相談する中で、訪問支援が適切かどうか、適切であればどのような形でおこなうのか、頻度など決めていきます。
基本的には定期的に訪問(月1回等)することを提案しますが、回数なども含めて、時々によってかわることが多いです。
また、相談の結果、とりあえず今は訪問支援は適切ではなさそうだという結論に至った場合でも、他の支援方法や支援団体へ繋いでいきます。
大切なのは、訪問支援などという形にこだわることではなく、どのようにサポートすることが本人にとって重要なのかを、一緒に考えていくことです。
訪問して何するの?
1回の訪問は、2時間程です。何をするかはその時々によってかわります。
何かしたいことがあれば、一緒にしたいし、したいことが何もなければ「何をしたいか」を一緒に考えます。
例えば、キャッチボール、将棋、ゲーム、一緒に走る、話す、などなど。
学校へ行っていなかったり、ひきこもっていると「こんな自分が趣味を持ったり楽しいことする価値無い」と考えてしまうことがあります。
その思いが積み重なっていくうちに「○○したい」「やってみたい」という、自分自身の気持ちや意思を伝えることが難しくなっていきます。
一緒に過ごしながら、やりたいことを一緒にやっていく。
もちろんできないこともありますが、そうだとしても別の方法を探したり、工夫しながらです。
そのやりたいことが、周りから見ると全然将来と繋がってないように見えたとしても、僕は大切にしたいです。
「やってみたい」はそれだけ貴重なんです。
訪問って家に来るの?
基本的には家に入れてもらえない場合は、訪問は難しいです。
家というのは、自分を守る砦です。そこに「入ってほしくない」と思っている間は、その気持ちを尊重したいのです。
また、例えば「家の中には入っていいけど玄関まで」とか「自室でなければいい」とか、条件がある場合は従います。
どうしても家には来てほしくないけど会ってもいいという場合は、自宅じゃない場所で会います。
近所の公園とか、どっかの喫茶店とか、どこでも構いません。
訪問だけではなく、一緒に出掛けたりもします。
僕が車を出していく場合がほとんどですが、運転がこわかったり嫌な場合は、現地集合でも公共交通機関移動でも問題ありません。
昼間に出掛けるのが難しいけど夜ならOKっていう場合も対応します。
訪問支援って効果あるの?
もぐりでは、何か決まったゴールに向かって支援をおこなうわけではありません。
出会ってみなければわからないこと、話してみなければわからないことは多くあります。
もぐりの訪問支援は、外へ引き出すためや復学、進学させるため、就職させるための支援ではありません。
今の時間を一緒に過ごす。
必要であればこれからのことを一緒に考える。
その結果どのような「これから」になるかは、まったくわかりません。
大切にしているのは、まずは生きていること。
生きていきたいと思えること。
そのように考えています。
なんでお金がかかるの?
僕が食べていくためです。
すみません。
頂いたお金は、僕の生活費になります。
訪問のためには定期的な相談が必要
一度相談をお受けして、「はい訪問しましょう」とはなりません。
訪問とは行くことですが、訪問支援では子ども自身に繋がることができなければ、効果は少なくなります。
子どもに繋がるためには、背景と現状をよく知っておくことが大切で、そのためにも数度の相談が必要です。
訪問できそうなタイミング、理由になりそうなきっかけ、繋がるための道具や情報など、数度の相談の中で見えてくるものは多くあります。
そしてこれらは、もぐりの支援だけにとどまりません。
「ここの居場所にぜひ子どもに行ってほしい」「この相談先にぜひ子どもに行ってほしい」と思うのであれば、その旨を支援者へ伝え、定期的に子どもの相談をおこなった方がいいと思います。
定期的に相談に行ける場所があることは本当に大切です。