先日「引きこもる青年を自立支援と偽り監禁、暴力的施設の深い闇（2017年6月29日ＤＩＡＭＯＮＤｏｎｌｉｎｅ）」という記事を目にしました。
リンクしておきますので、興味のある方は読んでみて下さい。

上記記事のようなニュースは、なにも近年になって起こっているものではありません。
30年以上前から、不登校やひきこもり、または非行などの当事者に対して、「更生」「矯正」を掲げて支援まがいのようなことをする団体は存在していました。
そしてそういった団体のことが世間一般に知れ渡るとき、それは悲しいニュースを伴っている場合でした。

支援のあり様は様々でしょうが、暴力をふるうなどもっての外です。犯罪行為です。
こういった悪徳支援団体がまだ存在していることにも憤りを覚えますが、そういった団体に頼らざるを得ない親、家族がいるという現実に、危機感があります。
明らかに付け込まれています。

今回のコラムでは３回でお送りします。
１回目の今回は、現在ひきこもっている当事者の方へメッセージを。
２回目は親の方へのメッセージを。
３回目は僕なりの悪徳支援団体の見極め方として料金の話を少ししたいと思います。

 

 

☆今現在ひきこもっている人へ☆

親はいろいろしてくる場合があります。
医者、カウンセラー、支援者、居場所、本とか、とにかくいろいろすすめてくるかもしれません。
そういった誘いにのるかどうかは、あなたが決めていいんです。

家族へ迷惑をかけているという引け目や、このままではいけないという思いから、自分の意志よりも親の意見を優先して、受けてしまうこともあるでしょう。
でも、親って言わなきゃ伝わりません。言わなきゃわかってくれません。言ってもわかってくれないことだってあるのに、察してくれるわけがない。

親はどこまでいっても親で、愛をもって心配してきます。でもその心配が、必ずしもあなたのためになるとは言えません。

そしてもし、扉を破って怪しい奴が入ってきたとき。親がそれを許可しているとき。
そんな時はどうすればいいでしょう。誰を信用すればいいでしょうか。
叫んでも伝わらないかも。そもそも扉を破って、あなたの意見も尊重せずにどこかへ連れて行こうとする奴なんか、まともな支援者じゃない。
力づくには抵抗できないかもしれません。入ってこられたら、終わり？
運よく逃げられたとしても、どこへ行けばいいでしょうか。

でも抵抗してほしい。逃げ出してほしい。
そうまでしないと親はわかってくれない。そうまでしても親はわかってくれないかもしれない。
でもわかってほしいと、そう思うのなら、やるしかない。

あなたは異常じゃない。誰かに無理やり変えられる必要もない。
「このままでいいと思ってるのか」「親御さんに申し訳ないと思ってるのか」と言ってくる人は信用なんかしなくていい。

あなたは普通じゃないかもしれない。
でも「普通」を振りかざしてくる奴は、ろくな奴じゃない。

支援者だからと信用しないで。親だからと信用しないで。
一番大切な守るべきは、あなた自身です。

あなたはひとりじゃないと言ったところで伝わらないでしょう。
でもこれは事実です。
日々、不安定のまま生きている人は、あなたの他にもいます。
取り巻く環境は違うけど。苦しみの内容は違うけど。

 

不登校・ひきこもり支援～もぐり～
古豊慶彦