アウアーハーン


1587年『実伝ヨーハン・ファウスト博士』(松浦純訳『ドイツ民衆本の世界3 ファウスト博士』icon国書刊行会)
 そら、これがその霊だ。だがこれがおまえの言うことを聞くのは、俺が死んで俺の霊メフォストフィレスがいなくなったあとになって、おまえがおまえ次第の約束をしたときだ。そのときはこいつをアウアーハーンと呼んだらいい。そういう名だ。それから頼みだがな、俺の術や今まてしでかしてきたことは俺が死ぬまでひとに言うんじやないぞ。だが死んだらぱ書き付けてまとめてだ、実伝にしてくれ。おまえの霊アウアーハーンが手を貸してくれる。おまえが忘れたことは思い出させてくれるだろう。俺の物語が欲しい、とみながおまえに言ってくるだろうからな
 ファウストの物語はゲーテの専売特許では無く、何人かの作家たちが描いているが、これはその最古のものとされる。ファウストが弟子ワーグナーに遺言を残すシーンで、メフィストの代わりとなる悪魔として登場している。しかし、これ以外でこの名前を私は聞いたことが無い。ファイル名のスペルもテキトーなので、信用しないように。

1846年カール・ジムロック『人形芝居ファウスト』(松浦純訳『ドイツ民衆本の世界3 ファウスト博士』icon国書刊行会)
 アウアーハーン 「そうだ。俺に身体と魂を売り渡したらそうしてやる」
 人形劇ファウストでは、ファウストに召喚された8人の悪魔(フィリッププッツリ、ポリュモール、アスモーデウスアシタロテ、アウアーハーン、ハリバックス、メゲーラ、メフィストフェレス)、それから弟子デクが召喚した3人の悪魔のひとりとして登場し、デクの相棒となる。


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